【ニンプス】妊娠をもっと楽しんでもらいたい。“信頼できる”妊娠出産情報を届けるWebメディア

『ニンプス』は日本の妊婦さんの“4人に1人が見ている”と言われる妊娠・出産に関する情報サイトです。日本の赤ちゃんの年間出産数は100万人。ということは、赤ちゃんを待つ妊婦さんも年間100万人近くいるという計算になります。少子化とは言われながら、妊娠・出産にかかわる市場には常に安定した数のニーズがあります。そこで独自の切り口から妊娠・出産についての情報発信をしているウェブメディア『ニンプス』編集長、小林博子(こばやし ひろこ)さんにお話をうかがいました。

2017年12月07日更新

メディ女インタビュー

MGL編集部

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“「私」が妊娠を楽しもう”というコンセプト

―創刊は2009年と伺っています。

小林「そうですね。2008年に弊社代表の高沖清乃が『ニンプス』をスタートさせました。私自身はその翌年に『ニンプス』編集部に入りました。創刊当時はWEBと紙媒体での展開でしたが、今よりも働く妊婦さんは少なかったので、“働く妊婦さんのための”妊娠情報誌、というキャッチコピーをつけていました。今は第一子の出産で退職してしまうお母さんが減りましたね。産休取得(出産42日前より可能)まで働きながら出産することが主流です。私自身も2014年に育休を取り、復帰とともに編集長に就任しました。」

―『ニンプス』のコンセプトの特徴はどんなところでしょうか。

小林「『ニンプス』は“ママ”というほんわか可愛い雰囲気ではなく、“私”主体のスタイリッシュな路線をとり “私が妊娠を楽しもう”というコンセプトでやってきました。それ以前の妊娠・出産情報メディアから得られるアドバイスは『妊娠中は食事を手造りしましょう』や『疲れたら昼寝を』など、働いていたら実行できないものも多く、既存の妊娠・出産情報メディアにないものを提供したかったのです。」

―コンセプトの独自性以外では、どんな努力をなさってきたのでしょうか。

小林「他のサイトと大きく違う点は、記事を編集部内で責任をもって書くこと。そしてお医者さん、産婦人科医さん、助産師さんなどの先生が記事の内容をチェック・監修していることです。外部のライターは使いません。あとは妊婦の皆さんが調べることはだいたい網羅するようにしています。『妊娠するとなんでイライラするんだろう』とか『なんでマックのポテト食べたいんだろう』とか。」

『ニンプス』編集長の一日のスケジュールを教えて!

『ニンプス』編集長 小林さんの1日の(理想的)スケジュール

  • 6:30 起床
  • 7:50 上の小学生の子供が登校。一緒に家を出て、下の子を保育園に預ける(通勤電車で1時間ほど移動)
  • 10:00 出社

【主な業務】
・原稿執筆
・編集部から上がった原稿のチェック
・編集長として外部媒体への監修や寄稿
・メーカーさんとのコラボ企画の打ち合わせ
・タイアップイベントへの参加
・主催イベントへの出席
・ニンプスメンバーとの交流

  • 17:30 退社、子供のお迎えに(通勤電車で1時間ほど移動)
  • 19:00すぎ 帰宅、料理や子供の世話

 

小林「通勤に約1時間かかるので、電車の中でメールを書いたり、返信したりの仕事もします。メールばかりでなくて、インスタを見たりもするんですけど、それも仕事のうちですね。出社後はパソコンがないと出来ない作業に入ります。編集部は今7名います。当社の他媒体『Ca-sun』 『Baby365』 も執筆や編集を掛け持ちしています。あるメンバーは営業に出たり、広報担当をしたりと、みんなで分業している感じです。」

―執筆や編集以外のお仕事内容も多いのですね?

小林「最近増えた仕事に『ニンプス』編集長として外部の記事を監修するものがありますね。広告にもなりますが、ライバルに協力している気もします…笑。私は営業はしませんが、PRも兼ねたタイアップイベントにはよく参加します。たとえば昨日は北欧のベビー用品メーカーさんが表参道に路面店をオープンし、そのイベントを『ニンプス』が半分お手伝いをしました。イベントには『ニンプス』登録会員さんの中から“インフルエンサー”と呼ばれる、SNSで発信力のあるママさんたちを集めてご招待したりします。」

―コラボイベントもけっこう多いんですか?

小林「そうですね、このメーカーさんとだけでも、今年2~3回やっています。そういう場でスピーカーとして、妊婦さんが知りたい出産準備品などについて、30分ぐらいお話をしたりします。『ニンプス』が主催する『ニンフェス』というイベントにメーカーさんの協賛をいただくこともあります。イベントの主催には別のイベント部隊がいまして、私の担当ではないです。」

仕事とプライベートが両立できる『ニンプス』編集部

―『ニンプス』編集部ではどんな人が求められますか?

小林「文章を書くことが好きな人だったら、男性女性、既婚未婚、子供のありなし、全然関係ないです。」

―編集者は忙しい、というイメージがありますが?

小林「それを言うなら、“子供が病気で休んでも絶対に怒られない職場”です。例えば、子育て中の方で幼稚園に子供を通わせながら10時-14時勤務、夏休みは2カ月休み、というスタッフもいます。スタッフは遠距離通勤者が多く、私は調布から。藤沢在住のスタッフ、埼玉在住のスタッフもいます。ネットを利用した在宅勤務も利用しますが、急に誰かが抜けた時も引継ぎが自然と出来るように、みんなが自分の仕事のリスクマネジメントをしてると思いますね。今日も保護者会で1人お休みしています。」

―ネットを利用した在宅勤務にはどんなツールを使いますか?

小林「ネットを利用して在宅作業をする場合、みんなで顔を見て打ち合わせや話をできるようにSkypeなどを使います。」

―分析的な仕事も実際になさっているんですか?ネットメディア業界で働くイメージって『Googleのツールを使って分析しないといけないんでしょ、そういうの出来ないし…』なんて思って、難しく考えてしまいがちです。

小林「私や代表の高沖をふくめ、『ニンプス』の編集をやってるメンバーが紙媒体(雑誌などのこと)出身が多いので、あまりゴテゴテのテクニックを使うウェブメディアではないです。SEO(サーチエンジン・オプティマイゼーション:ネット検索で上位に表示されるためのテクニック)とかPV(ページビュー:ウェブサイトを閲覧した回数。テレビでいえば視聴率)がどうの…とか、そればかりが大事だとは思っていないんです。ユーザー目線に立った、質のいい情報を提供していこうという方針です。」

『お母さんが家にいなくちゃ、子供がかわいそうよ』って言われるけど?

―小林編集長の今までのご経験から、働きに出るママを応援するコメントを頂けますか?

小林「しっかりキャリアを積んでから妊娠した人は、子育てが一段落したときに戻っていきやすいかと思うんですけど、私についてお話すると、1年ちょっとしか社会人経験がない時に会社を辞めて子供を産みました。25歳ぐらいでした。『この子がいくつぐらいになったら、わたし、もう一度暇になって働きに出るんだろう?』と考えたんです。子供が15歳ぐらいで手が離れる、と仮定して、私の場合はその時には40歳。1年ちょっとしか働いていない女性が40歳になって仕事があるのだろうか考え、子供が1歳の時に就職活動をしてこの業界に入りました。働いておかないと私、ヤバイ!という気持ちでした。」

―ご家族から反対はなかったですか?

小林「お姑さんからは、やっぱりちょっと言われました。で、自分でも気持ちに折り合いをつけたのが『子供と一緒に過ごす時間を使うんだから、本当にやりたい仕事をしよう』ということでした。それが子供を保育園に預ける罪滅ぼしみたいな…。やりたくない仕事をしながら、あ~、あと〇時間かぁ…と思っているなら、やめようと。もともと書くことが好きで新聞記者になりたかったんです。それでこの仕事に就きました。今は保育園に預けたことで、子供が1歳から“ママ以外の世界”を持てたことは良かったと思っています。」

『ニンプス』編集長としてこれから目指したいこと

―『ニンプス』編集部で働いて良かったのはどんな点ですか?

「妊婦さん向けの専門家から聞いたしっかりした記事をお届けできる。専門家とWebの向こうの多くの人への橋渡しをしてあげられる。そういうところです。私個人についていえば、『ニンプス』の仕事をすることでベビー用品・マタニティー用品などのイベントに何度も参加するうちに、妊娠・出産向けグッズにとても詳しくなれました。誰よりも早く情報が入ってきて、手に取って試すことが出来るのは、自信をもってプロとしてお伝えできる分野を持てたと思います。」

―メディアとして、小林編集長ご本人として、これから目指したいことを教えてください。

小林「妊娠をもっと楽しんでもらいたいなぁと思って記事を作っています。昔のように20代から始めて5人、6人と産んでいた時代と違い、現代の私たち女性にとって妊娠・出産というのは一生のうちで1度か2度、多くてもせいぜい3度ぐらいしか経験しない特別な時期ですよね。妊娠時の身体や心、キャリアについての不安を少しでも少なくして妊娠を楽しんでもらうような情報を発信できたらと思います。」

「妊婦さんの気持ち」に寄り添う姿勢

もともとは雑誌の編集に携わっていた小林編集長。記事の「内容」にこだわって編集する姿は、SEOやPVといったウェブメディア特有の指標にとらわれることなく、受け手となる妊娠した女性を第一に考えています。こういったしっかりした考え方が、不安になりがちな妊娠を乗り切る女性に強く支持されているのだ、とよくわかったインタビューでした。人間ではなくサーチエンジンの人工知能に向けたような記事は、書かない。『ニンプス』は安心できる、確かな情報を得られるウェブメディアです。

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